小説 徳川家康
司馬遼太郎「徳川家康」を読んだ。書き上げるまでに20年、全部で26巻もある大作だ。
今後の本欄に、事あるごとに内容が引用されるだろう。
さて、久しぶりにこのブログを書く気になった(これまでも、数えきれないほど、書きたいことはあった。しかし内容が重すぎて、文章にまとめる自信がなかったのだ。)のは、2代将軍秀忠に残した遺言(の一部)を、拙著をお読みになる諸兄にぜひ伝えたかったからだ。
徳川宗家に残す遺産は、徳川家のために使ってはならない。
1.万一のおりの軍用の費として使え。
=平和を維持するための費用とせよ。
2.飢饉に備えろ。
=経済的弱者を救済するための費用。また消費するだけではなく、景気が停滞したときのために、好景気の時に貯蓄(内部留保、資産など)に努めよ。
3.天変地異と火災などの不時の災害に使え。
=為政者として、起きた災害(台風による風水害、大震災など)に対して直ちに復旧し、人心の安寧に努めよ。
いかがだろうか。この時から400年後の政治家たちに聞かせたくならないだろうか。
司馬遼太郎は、徳川家康を「徳で治める為政者」として書いている(と、私は解釈した)。そして、その「徳」という観念を、具体的な(目に見える)かたちで、私たちにわかるように書き著わしているものとして読んだ。
徳川家康、私のような凡人には及びもつかない(ということさえ僭越に思える)、みごとな帝王学を示した偉人である。
ただ読書後も、私の「尊敬する人物」ではない。なぜだろうか。
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