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2020年1月22日

私は、中学校までの学校での昼食は給食だった。

内容は今の給食と比べるべくもないし、出身がかなりの田舎だったためか、とても素朴な給食だった。しかし、味はといえば、とても美味しかった。

それが、高校に入学とともに「お弁当」になった。それはそれで楽しみではあったが、当時のお弁当箱はアルマイトという金属製で、ふたを開けると、ふたの裏側にご飯がくっつき放題だった。お腹が空いた状態でこれを一粒ずつ取るのが面倒で、ついついふたのご飯を残したまま食事を終えることが多かった。

ところが、いつのまにか一緒にお弁当を食べるようになったK君というクラスメートが、ふたのご飯をすべて食べ、お弁当箱の隅に残った一粒も残さなかった。

ある日、何気なく私は彼に声をかけた。

「K君、やるなぁ。いつもご飯粒を残さないで、全部食べるんだね。」

するとK君が答えた。

「うん、ウチは農家だからね。」

私は、この一言にやられた。

彼が食べるお米と私が食べるお米は、お米に変わりはないのに、それが持つ意味は全く違っていた。

私は16歳のその時から58歳の今に至るまで、用意された食事は必ず完食することにしている。食べきれないと判断したときは、私が箸をつける前に、同席する誰かに一部を食べてもらう。

「うん、ウチは農家だからね。」

「もったいない」とは、どういうことかを教えられた。

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