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2022年9月24日

教育指導要領の改訂後

この塾を開いて、もうすぐ20年がたつ。学校の教育指導要領が10年ごとに改定されるから、今まで私は3種類の教育指導要領に従って授業をしてきたことになる。
直近の改定が2020年に終わっているが、これまでの2回に増して、今回の改定後の授業を受けている児童・生徒の学習状態が心配である。簡単に言うと、「教科書に書かれている内容や高校受験に出題される問題に対応できるほどの学力に到達していない」ということである。
中学生を例にとると、確かに学校の定期テストの結果は(高得点とは言えないまでも)心配するほどではないように見える。しかし定期テストには答えられても、塾のテキストの問題や私の質問には、とたんに答えられなくなる。間違いなく、それらに類する問題を学校授業では解いているはずなのに。しかも、答えを出そうと努力して考える様子も乏しい。
それもそのはずだ。彼らは定期テスト前に、教科書に書かれたとおりに、先生のプリントに書かれたとおりに、先生が教えたとおりに解答が書けるように練習しているだけだからだ。教科書ワークを解くときに、考えて解いているのではなく、正しい答えを(教科書やプリントから)探しているだけだ。先生も生徒も、そのこと(考えるのではなく、さがすこと)を「勉強」だと思い込んでいるのかもしれない。何度も言うが、頭を使って考えているのではない。だからどれほど時間をかけて勉強しても、実際には「作業」に等しい行為だから、学力として定着しない。テストが終わると、あっと言う間に忘れてしまう。
先生たちは「考える」指導をすればいいのだろうが、もしかしたら、そういう指導はできないのかもしれない。なぜなら、先生自身が中学生時代に「考える学習」をしていないかもしれないからだ。言われたとおりに覚え、書いてある通りに答え、自分の考えで物事を進めてはいけない。学習は〇が大事で✕がダメ。考える過程よりも結果が大事。そういう経験をしてきた人たちが先生になっているのではないか。
そういえば、「ゆとり世代」という言葉がある。2002年から2011年の間に義務教育を受けた世代だ。今の年齢は18歳から35歳ということになる。若い先生なら、この「ゆとり教育」を受けている。
ゆとり教育の特徴として一般的に言われていることは、
・ストレスに弱い。
・失敗を恐れる。
・指示されたことしかできない。
・自分の都合を優先する。
などである。
まさに今、私が児童や生徒たちに感じていることそのものである。
もし「ゆとり教育を受けた先生」が「ゆとり教育通りの教育」を行っているなら、今の児童・生徒も「ゆとり世代」と言えるのではないか。
勉強は、芸術やスポーツなどと同様に、努力なしでは身につかない。しかし勉強は、芸術やスポーツとは違い、能力やセンスは要らない。きちんと取り組みさえすれば、誰でも一定のレベルには到達する。だからと言って、これさえやれば誰でも解けるという「勉強のやり方」は存在しない。自分自身の「勉強のやり方」を身につけるしかない。せめて、それくらいの力をしてほしいと思う。
受験生でないなら、1日に何時間も勉強する必要はない。私が出す塾の課題と学校の宿題とを合わせて、家庭学習は30分~1時間程度で良い。そうすれば、ストレスに強くなり、失敗などものともせず、自分の頭で考えて生きていけると思っている。
〇でも✕でも、どっちでもいいじゃないか。✕の結果から何か学べるものがあるなら、それは〇に等しい価値があるんだぞ。学べ、学べ、学べ。今日できなきゃ、明日にはできるようになれ。明日できなきゃ、明後日できるようになれ。僕らの目は、前を見るためだけについているんだぞ。