運動会
昨日、一日遅れで、愚息が通う小学校の運動会が催された。
一生懸命に走り、舞い、形づくり、戦った。
どれほど練習し、どれほど集中し、どれほど力を尽くしても、それが形として報われることはない。
それでも児童たちは額に汗して頑張っていた。競争に負けて、涙を流す児童もいた。
赤が勝っても白が勝っても、次の日にはもう、何もなかったかのように、いつもの日々が始まる。
死力を尽くす目的は、ただ「勝ちたい」だけであり、ただ「きちんと演じたい」だけである。
報酬のない努力に力を惜しまない、人生にたった一度きりの時代をすごしている幸福を、
その真っ只中にいる児童たちは、誰も気づかないのだろう。