よく言った!
塾生が通う中学校では、定期テストで前年のものを使っていることが多い。だから近隣の塾では、定期テスト前になると、前年度のテストを丸覚えさせる。当然の結果として、内申点が異常に上がる。そして、実力以上の都立高校に推薦で合格する。実力以上の学校に進学したため、校内の成績順位は著しく低く、場合によっては1年生で退学する。
こういうことがわかっていて丸覚えさせる塾も塾だが、それを黙って見過ごす中学校も中学校である。
「内申点のために、みんなも去年のテストを覚えたいか? もしそれを希望するなら、そうするぞ。もちろん、僕は反対だが。」と、中学3年生に訊いてみた。
「そんなのダメだよ。ちゃんと勉強したい。」
「それでいい点が取れなくても、それが今の実力ならしょうがないよ。」
「高校受験がゴールじゃないんでしょ? その先も頑張らなきゃいけないんでしょ? じゃ、今から頑張っとかなきゃダメじゃん。」
だって。
いい生徒に恵まれたもんだ。