授業の終わりに
(小学生授業の終盤)さて、そろそろ時間が来ました。何か聞いておきたいことはありますか?
「はい、あります。どうして法律ってあるんですか?」
おっ、いい質問だね。
それはね、みんなが安心して暮らすためなんだよ。
「安心してって、どういうことですか?」
例えば、泥棒が許されるとするよ。AさんがBさんのを盗んだら、盗んだAさんは幸せかもしれないね。でも、盗まれたBさんは幸せじゃないよね。だから今度は、BさんがCさんから何かを盗みかもしれない。そうすると、あっちこっちに泥棒がいることになる。これは幸せなことじゃないよね。
また、何をしてもいいんだったら、殴り合いだって、あっちこっちで起きる。
そうならないように、法律をつくって、みんながすこしづつ我慢をして、そのかわり平和な社会で安心して暮らそうってことなんだ。
「なるほど。」
これが、中学3年生の「公民」の授業では、全く逆のことを言うことになる。
表向きでは、「法律は社会秩序を維持するためにある」ことになっている。でも現実はそうとは思えない。
法律は、権力者が国民を管理統制しやすいようにできているとも言える。
例えば、国民全員がマイナンバーカードを作らなければならない。それは、国民への行政サービスが迅速に提供でき、国民が煩わしい手続きから解放されるからだという。
しかし実際には、このマイナンバーカードに保健証や免許証などが一体になり、ナンバーさえわかれば、その人の健康や生活面がわかり、納税状況もわかり、法律違反状況もわかる。
要するに、このマイナンバーカードで、個人情報が何でもわかってしまう。
自分のことを役所に知られたくないとしても、こうなると、何でも知られてしまう。
だから法律などの規則は、国民のためというよりも、政治家や役所のためだとも言える。
法律を作るのは「国会」で、「国会議員」だ。国会議員は選挙で選ばれる。だから君たちは3年後、選挙権を手にしたら、誰に投票するかを、しっかりと考えなければいけないことがわかるね。
さぁ、次は...。