ポツンと一軒家に住む人たちに思うこと
村や町から離れたところの家を訪ねる、民放テレビ番組が好きだ。
これは、よくある、グルメ旅行番組ではないし、ポツンと一軒家に住むことになった深い事情や
悲しい出来事を紹介するわけでもない。ただ訪問するだけの番組だ。
いや、訪問して、「どうしてこんな辺鄙なところに寂しく住んでいるのか」というような質問をして、
そこから番組が展開される。
紹介される人たちは、みな親切だ。
山でとった大切なタンパク質である猪肉だったり、手間をかけて作った干し柿だったり、それらを
惜しげもなく番組スタッフに食べるように勧める。それだけではなく、お土産まで渡すこともある。
私がこの番組を見る理由は、視聴後に「さて、明日も頑張ろう」と思えるからである。
とっくに80歳を過ぎているのに、みなさんお元気だ。ハツラツというのではなく、穏やかに元気
なのだ。穏やかで、平和な顔をして、ご自身たちの生活に大変満足されている。
「こんな場所に住んで、寂しくないか?」という質問に、共通した答えが、
「寂しくもなんともありません。」だ。
「都会にゃ、よう住まん。」
この、関西方面でよく使われる「よう~しない」。共通語にすれば「(能力ではなく)感情的・感覚的
に~できない」「するつもりがない」というところだろうか。この言葉には、とても謙虚な姿勢を感じる
ことができる。
「みなさんはみなさんで、都会の生活を楽しんでください。私はここで十分です。」
とても幸せそうな方たちを紹介してくれるこの番組(を録画したもの)を、私は今後も見続けるだろう。
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